日々の経営に邁進する中で、「もう年だから」「今から新しいことを始めるのは難しい」と感じたことはありませんか? 新しい技術や市場の変化に直面し、不安を感じることもあるかもしれません。

でも、「It's Never too Late in Life.」 ― 人生において、何かを始めるのに遅すぎるということは決してありません。

今日お話ししたいのは、年齢を理由に挑戦を諦めてはいけないということ。むしろ、経営者である私たちだからこそ、年齢を重ねるごとに得た経験や知見を活かして、新しい挑戦を力に変えることができるのです。

皆さんは、日清食品の創業者、安藤百福(あんどう ももふく)さんの物語をご存知でしょうか? 彼の生涯はまさに「遅すぎるなんてことはない」という言葉を体現しています。

戦後の食糧難の中、「日本人の食生活を豊かにしたい」という強い思いを抱いていた安藤さん。しかし、彼がインスタントラーメンの開発に着手したのは、なんと48歳の時でした。当時としては「もう若くない」と言われる年齢です。

そして、試行錯誤を重ね、自宅の裏庭に建てた小屋で、寝食を忘れて研究に没頭すること1年。ついに1958年、48歳で世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を完成させました。

これだけでも驚きですが、彼の挑戦はそこで終わりません。

安藤さんは、世界でインスタントラーメンを広めることを夢見ていました。1966年にアメリカを視察した際、現地でインスタントラーメンを食べる人々の姿を見て、新たなアイデアが閃きます。それは、どんぶりではなく、カップで手軽に食べられるようにすること。

そして、チキンラーメン開発からさらに13年後の1971年、61歳にして「カップヌードル」を完成させます。60歳を過ぎて、新しい製品開発に挑戦し、世界的なヒット商品を生み出したのです。

カップヌードルは瞬く間に世界中に広がり、現在では世界100カ国以上で販売されています。そして、安藤さんが95歳の時には、なんとNASAのスペースシャトル「ディスカバリー号」に「スペース・ラム(宇宙食ラーメン)」として搭載され、宇宙食にもなりました。

安藤百福さんの事例は、年齢が挑戦の足かせになるどころか、むしろ経験と情熱があれば、いくつになっても世界を驚かせ、人々の生活を変えるような偉大なことを成し遂げられることを教えてくれます。

安藤百福さんの他にも、人生の後半から大きな成功を収めた、あるいは生涯にわたって挑戦し続けた人々は数多くいます。彼らの例も見てみましょう。

カーネル・サンダース(ケンタッキーフライドチキン創業者) ケンタッキーフライドチキンの創業者として世界的に知られるカーネル・サンダースも、安藤百福さんと同様に、遅咲きの成功者です。彼の波乱に満ちた人生の中で、フライドチキンの秘伝のレシピを完成させたのはなんと40歳を過ぎてから。そして、実際にフランチャイズビジネスを始めたのは、会社の定年を過ぎた65歳の時でした。年金だけでは生活が苦しいと奮起し、自慢のフライドチキンを売るために車で全米を回ったそうです。彼の不屈の精神と挑戦が、世界中で愛されるフライドチキンを生み出しました。

鈴木敏夫(すずき としお) スタジオジブリのプロデューサーとして知られる鈴木敏夫氏もまた、挑戦し続ける人物です。宮崎駿監督や高畑勲監督と共に数々の名作アニメーションを生み出してきましたが、彼は単なるプロデューサーにとどまらず、ジブリ作品の魅力を世界に伝えるためのマーケティング戦略や、新たな才能を発掘する試みなど、常に新しいことに挑戦しています。彼は70代になってもなお、イベントの企画や広報活動に積極的に関わり、ジブリの新たな可能性を追求し続けています。既存の成功に安住せず、常に変化を恐れない姿勢は、まさに中小零細企業の経営者が見習うべき点です。

彼らに共通しているのは、「年齢」ではなく「情熱」と「行動」が、新しい未来を切り拓く鍵になるという点です。尊敬する哲人の言葉に「青春とは、希望を失わず、常に新たな創造に向かって進むことである」とあります。そうだ、「挑戦することなんだ」と勇気が湧いてきます。

現代は「人生100年時代」と言われています。平均寿命が延び、私たちはこれまでよりも長い時間を生きるようになりました。この変化は、経営者である私たちにとって、大きなチャンスでもあります。

私たちは、これまで培ってきた経験、知識、人脈、そして何よりも「経営者」という立場があります。これは、どんな年齢であっても新しいことにチャレンジし、それを形にするための強力な武器です。

「新しいITツールを活用してみようか」 「これまでと違う客層にアプローチしてみようか」 「異業種と連携して新しいサービスを開発してみようか」

こうしたアイデアの中には、年齢を重ねたからこそ得られる視点や、積み重ねてきた経験や知見から生まれるものも多いです。

もちろん、新しい挑戦には不安がつきものです。失敗するかもしれません。でも、失敗は次に繋がる貴重な経験です。安藤百福さんも、数えきれないほどの失敗を乗り越えて、あのチキンラーメンやカップヌードルを生み出しました。

実は、私自身も、こうして皆様にブログを通じて情報をお届けするという形で、常に新しい挑戦を続けています。AIという技術は日々進化しており、その最先端を追いかけ、皆様のお役に立てる情報を提供することは、決して簡単なことではありません。しかし、皆様からの反応や感謝の言葉をいただくたびに、この挑戦の重要性を実感しています。

年齢は単なる数字です。 「もう〇〇歳だから」と諦めるのではなく、「〇〇歳になったからこそできること」を見つけ、一歩踏み出してみませんか?

あなたの会社が持つ可能性は、無限大です。 経営者であるあなた自身の可能性も、無限大です。

今日から、小さなことでも構いません。 新しい挑戦を始めてみましょう。

「It's Never too Late in Life.」

あなたの未来は、あなたが今、踏み出す一歩にかかっています。 心から応援しています!